嫌な事もすべてを忘れ、ただひたすら何かに没頭する。
そうして自己がなくなる。
心理学ではその状態をフローと言うらしい。
この状態を私は経験をした事がある。
けれど、私の経験したそれは、私の尊敬する数学者、岡潔に比べればたいしたことはないのだろう。
にもかかわらず、精神を病んだ。

中島敦の「山月記」の言葉を借りると、精神的な病気によって「己のもっていた僅かばかりの才能を空費して了った」のだ。
このことが今は悔しくて堪らない。

節度を保って勉強する、このことが出来ていなかった。

けれど、今となってはそんな事を忘れるほどに仕事に打ち込めている。
学問においてはダメだったが、仕事においては問題はなかった。

目標を変えるだけでこんなにも変わるものかと思った。