ゲシュタルト崩壊というのをご存知でしょうか。
同じ文字をずっと眺めていると、それが意味のない点や線に見えてくるというものです。

中島敦の「文字禍」がまさにそのことを題材にした小説ですし、
夏目漱石の「門」にもゲシュタルト崩壊の記述がみられます。

これは実は文字だけでなく、音でも同じような現象が起きるそうです。
私が経験した音のゲシュタルト崩壊を説明してみようと思います。

それは四年前、雪の降った寒い日でした。
電線から落ちる雪の音、車のブレーキ音、これらが音が個別に聞こえるのでした。
普通の精神の状態であれば、これらを同時に処理が出来るのでしょうが、
私はそれが出来ませんでした。
音が遅れて聞こえるという表現が適切だろうと思います。

この時には私は音のゲシュタルト崩壊などは知りませんでした。
ただただ、目の前の現象に不思議さを感じました。

ゲシュタルト崩壊は脳が疲れている時に起きる現象だそうです。
健常な人でも起きます。
そのことを、四年前の私が知っていれば、不思議さを感じることもなく、
精神的な病気にもならなかったのかも知れません。

やはり、病気にならないためにも、精神障がいの知識を身に付けておくことは大事だと思います。