夏目漱石の「こころ」の中に、
「精神的に向上心のないものはばかだ」
という言葉があります。

けれど、夏目漱石は実際には逆のことを言いたかったのではないか、
と私は思います。

つまり、「精神的な向上心」が高ければ、
悲観的になるという事が言いたかったのでしょう。

その証拠に、「草枕」の中でこう書いています。
「知に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。兎角人の世は住みにくい」

「精神的な向上心」のある人は、
知に働き、情がコントロールできず、意地を通す。
こうなっては、生きにくい世の中になると言いたかったのでしょう。

以前の私は「こころ」の中の言葉を真に受けていましたが、今はこのように理解しています。