高校のころに梶井基次郎の「檸檬」を読んで衝撃を受けたのを、私は覚えている。

人の描写が現実味を帯びていたからだ。

それを二年前に、再び読み返すことがあった。

そのときは別の衝撃を受けた。

私の心情がそのまま描かれているではないか。

けれど、今はそれを読んでも二度目に読み返したときの感動は決して得られないだろう。

それぐらいに精神が落ち着いているからだ。

檸檬に深く感動できないようにする、そのような努力をしたい。