切のない幸福
トルストイの「光あるうち光の中を歩め」という本を読み、幸福とは何かを考えてみた。
この本によると、最初に幸福を味わうとする。
とすると、次に幸福を感じるためには、それ以上の幸福でないと幸福とは感じないのだそうだ。
まったく持ってそのとおりである。
私の二年前の目標は、小説を読めるようにすることだった。
けれど、読めるようになったら、それでは満足がいかなくなり、
それを味わえなくては幸福とは感じなくなった。
今は小説を味わうことが出来る。
けれど、もうそれでは満足が出来ない。
今の目標は小説を書くことが目標だ。
この目標が達成できたら、質の高い小説を書きたいなどと思うのだろう。
このように幸福を求めようとすれば切がない。
けれど、このような幸福は構わないと思う。
なぜなら、お金が余りかからないからだ。
けれど、今日はこのような幸福よりも、お金がかかる幸福を求めるきらいがある。
それがいけないとは、私は思わない。
けれど、それも私の小説に求める幸福と同じく切がないということを、忘れないようにしてほしい。