小説を書く
月曜日に本屋に行った。
そこで貰った本のブックカバーが、小説を募集するというものだった。
400字の原稿用紙200枚から500枚以内で衣食住のどれか、またはすべてについて書けというのが募集の条件だった。
ちょっと興味が出たので構想を練ってみた。
その構想とは、衣食住が原因で徐々に精神が蝕んでいくというものだ。
私が病気になったのは衣食住だけが原因ではないので、半分が私小説で半分がフィクションの小説だ。
いざ書こうと思い父に原稿用紙を貰い、筆を進めた。
だが原稿用紙三枚程度書いて筆を止めた。
というのも小説で肝心なのは出だしであるが、私の書いたものは出だしが人を惹きつけるものではなかった。
自分の才能の無さを実感した。
「雪国」の最初、「国境の長いトンネルを越えると、そこは雪国であった。」のような文を書くにはもっと訓練を積まなくてはならないのだろう。
その訓練を積むよりは数学に熱中するほうが、自分に合っていると感じる。
その後は原稿用紙をぐちゃぐちゃにして捨て、数学をすることにした。